営業部長、教師になるの巻 6月編

皆さんこんにちは~。HYです。

弊社営業部長が定期的にお取引先様の講習会の教師として呼ばれているとの事だったので同行してきました!

ものづくりのエキスパートがどんな内容の講習会をするのでしょうか?このブログに講習会の全貌を書いていきたいと思います!

 

皆さん真剣な表情で講習を受けて頂いています。

僕もこの業界の事を体系的に授業を受けて学んだわけではないので頭の中を整理するのに役立ちました。

講習会の内容はまとめると

①図面に記載されている様々な線について

②取引先様が主に発注される製品によく使用される材質について

③材料の定尺(標準寸法)・歩留まりについて

の三つについてとなります。

 

①では図面に記載されている様々な線について説明を受けました。

 

図面の線には用途によって様々な名称があります。

特に重要なのが実線と破線でしょう。

種類 名称 用途
実線 外径線 対象物の見える形状を表す
破線 かくれ線 見えない部分の形状を表す

比較すると表のようになります。

例えばもし製品に破線がある場合は手前でなく奥に板が曲げられていることになります。

図面を見た時に実線と破線を取り違えると曲げの向きが逆になってしまい作り直しになります。

勿論、実線・破線以外にも様々な線が図面には書かれています。

弊社先輩にもよく見かける線はないか尋ねたところ

種類 名称 用途
細い実線 引出線 記述、記入などの為引き出す
一点鎖線(細) 中心線 基準、中心を表す
不規則な波形の実線 破断線 対象物を取り去った境界を表す
規則的に並べた細い実線 ハッチング 断面図の切り口など、図形の特定の部分を他と区別するのに用いる
細い実線 特殊な用途の線 平面であることをX字状の2本の線で示すのに用いる

を挙げてくれました。

この様に言語化されて説明されると今後図面を見る際に理解が深まりますね。

自分にとっての”推し線”を探してみてもいいかもしれません。

 

②では取引先様の製品によく使用される鉄 [SPCC] [SPHC] [SS400]についての説明でした。

SPCC SPHC SS400

薄板がよく流通している

SPHCより値段が高い

引張強度はそこまで

値段が三つの中では一番安い

引張強度が高い。

この三つの中で一番値段が高い

ざっと表にまとめてみました。勿論他にも材質の違いはあります。

ただ今回営業部長がお伝えしたかった点はもし製品の使用用途が材質の特徴に左右されないのであればコストダウンが図れるのでは?ということでした。無論行き過ぎたコストダウンにより必要な強度が担保されず作り直しが求められると本末転倒です。十分留意しておく必要があります。

 

③では一般的に流通している材料の定尺についての説明でした。

鉄板の定尺は

通称 3×6(サブロク) 4×8(シハチ) 5×10(ゴットウ)
mm 914×1829 1219×2438 1524×3048

製造現場では通称で呼ばれています。そもそもなぜサブロクやシハチなど呼ばれているのでしょうか?

これは

・日本古来の計測方法である尺貫法の単位「尺」(現在尺貫法は計量法により公には使えません)

・ヤードポンド法における「フィート」

のどちらかが由来となっています。

メートル法に直すとどちらも

1尺 = 30.303cm(303.03mm)

1フィート = 30.48cm(304.8mm)

なのでほぼ同じですね。914×1829はおよそ3尺×6尺もしくは3フィート×6フィートなのでサブロクと呼ばれています。

鉄板の定尺は上記の通りですが材質によって定尺は違います。ステンレス・アルミ板の定尺は1000 × 2000などキリのいい数字ですしね。

定尺が違ったとしても製造現場にとって大事なのは「歩留まり」を意識する事です。

歩留まりとは簡潔にまとめると限られた材料の中で無駄なく使えた割合のことです。

例えばアルミ板で500 × 500のサイズを製作するのであれば1000 × 2000 板で収まりますが1200 × 2200など定尺を超えるサイズであれば更に大きい1250 × 2500を購入しなければなりません。またアルミ板の定尺では0.3未満の厚みは販売していないので厚さ0.2のアルミ製品は値段が高くなります。(ステンレスも0.3未満の厚みは販売しておりません)

勿論極端な例ですが歩留まりを意識することはコストダウンにもつながります。

 

以上講習会のまとめでした~。第二回も開催するみたいなので同行してまたまとめていこうと思います!

たまには真面目にまとめるHYでした~。ではまた~。

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