安定化処理 |
オ-ステナイト系ステンレス鋼(SUS321・347)を850~900℃に加熱後、空冷する操作。鋼中の炭素をニオブ又はチタンなどとの安定な化合物にする為の熱処理。 |
応力除去焼なまし | 鍛造、鋳造品、機械加工、冷間加工、溶接の残留応力除去を目的とした焼なましを言う。材質、目的に応じて加熱温度、冷却方法は異なる。焼入焼戻しを実施した製品の応力除去焼きなまし温度は、焼戻し温度マイナス20℃程度が一般的である。 |
オ-ステンパ |
オ-ステナイト化温度以上に加熱後、350~400℃程度の熱浴に焼入してベイナイト組織を得る操作を言う。オ-ステンパしたものは、一般的に焼戻しの必要がない。 |
完全焼なまし |
オ-ステナイト化温度以上に加熱後、炉内冷却する操作。 |
球状化焼なまし |
加熱温度700~800℃程度の間で長時間加熱又は加熱、冷却を繰り返し後、ゆっくりと炉内で冷却しセメンタイトを球状化する操作。材質により球状化し易さ、求められる球状化率により、色々な熱処理方法がある。 |
高周波焼入焼戻し |
コイル等を用いて高周波誘導加熱で焼入温度まで加熱して水又は水溶性焼入液で焼入する操作。一般的に焼戻し温度は150~300℃程度が使われる。高周波焼入前処理として焼入焼戻しを行う。 |
固溶化処理 |
オ-ステナイト系、オ-ステナイト・フェライト系、析出硬化系ステンレス鋼を1000~1200℃程度に加熱後、急冷する操作を言う。鍛造、圧延、冷間加工等で析出した炭化物を合金中に固溶させ析出しないようにする。析出硬化系ステンレス鋼の析出硬化処理の前処理として実施する。『溶体化処理』とも呼ぶ。 |
サブゼロ処理 |
焼入後、製品をマイナス78~マイナス196℃のドライアイス又は液体窒素により冷却し、残留オ-ステナイトをマルテンサイト化する操作を言う。 |
真空焼入 |
真空状態で加熱し、窒素ガスで焼入冷却する操作を言う。 |
浸炭窒化焼入焼戻し |
浸炭性ガスに窒素を含む数%のアンモニアガスを添加し、製品表層部に炭素、窒素を浸透させて焼入を行う操作を言う。焼戻温度は一般的に150~200℃程度が使われる。 |
浸炭焼入焼戻し |
浸炭性雰囲気中で加熱し、製品表層部に炭素を浸透させて焼入を行う操作を言う。浸炭方法としては、固体、液体、ガス浸炭がある。焼戻温度は一般的に150~200℃程度が使われる。おもに肌焼鋼が使用される。前処理として焼ならしを実施する。 |
析出硬化処理 | 析出硬化系ステンレス鋼の鋼中に溶け込んだ炭化物を析出させ硬度を上げる操作を言う。析出硬化前処理として固溶化処理が必要である。 |
窒化処理 |
窒素を含む液体又はガス中で500~600℃に加熱し、製品表面に窒素を浸透させ窒化層を作り硬化させる操作を言う。窒化前処理として焼入焼戻しを行う。 |
低温焼なまし |
A1変態点温度以下に加熱後、適当な速度で冷却する操作を言う。 |
軟化焼なまし |
硬さ低下させることを目的とした焼なましを言う。材質、求められる硬さで加熱温度、冷却速度が異なる。 |
マルテンパ |
オ-ステナイト化温度以上に加熱後、マルテンサイト変態温度近傍の温度の熱浴に焼入する操作を言う。マルテンパ後、焼戻しが必要。 |
無酸化焼入焼戻し |
還元性、不活性ガスを使用して無酸化状態で加熱し、焼入を行う操作。焼入後、焼戻しを行う。 |
焼入焼戻し |
焼入 炭素が一定以上含まれる鋼をオ-ステナイト化温度以上に加熱し、急速冷却することにより鋼の硬度を上げる操作を言いう。非常に硬いが脆い。 焼戻し 焼入後、焼戻しを行うことにより、硬度は低下するが靭性が高く、引張強度、耐力、伸び、絞り、衝撃等の機械的性質が向上し、硬くて粘り強い鋼となる。鉄鋼の構造部品の熱処理として最も多く用いられる。 |
焼なまし | 鉄又は鋼の軟化、結晶組織の調整、内部応力の除去等を目的とした総称を焼なましと言う。 |
焼ならし |
鋼をオ-ステナイト化温度以上に加熱後、自然空冷又は強制空冷する操作を言う。この処理を鋼の正常化とも言っており、その組織は標準組織とも言われる。浸炭焼入焼戻しの前処理としても実施する。 |